[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
イサムノグチ展
先日イサムノグチ展に行ってきました。
私は、彼の「地球を彫刻する」
「生活の中にある芸術」
という考え方がとても好きで、
今まで色んな美術館に足を運んでいます。
今回は木場にある「東京都現代美術館」です。
とてもお天気がいい日。
木場公園を散歩しながらゆっくり歩いていき、
公園の一番奥にその美術館はありました。
美術館に来ると、だいたいガイドの機械を借ります。
そうしないと、作品の背景が分からないからね。
彼の代表作の中に「あかり」という提灯のような作品があります。
さすがに展示してあったものは巨大だったりしたけど、私の家のライトも同じ「あかり」なんですよ。岐阜の伝統工芸の提灯と、「美術館に展示されているような芸術を、観るだけでなく、生活の中に取り入れたい。」という発想から生まれたらしいです。ほんのり温かくて、とってもいいの。
ぜひ皆様の暮らしの中にひとつ、いかがですか。とかって別にまわし者じゃないよ(笑)。そして彼は公園もアートしています。今度北海道に大きな緑の公園が出来たのよね。絶対に行ってこようと思ってます!
滑り台や遊具の表面が子供たちの手ですり減っていく頃、作品は完成するんだって。素敵でしょ。彼の言葉に「作品は荒削りで良い。あとは雨や風や子供たちが仕上げてくれる」みたいな言葉があって。本当に素晴しいなと思います。
彫刻もね、石の作品が数多くあるんだけど、単体の「石」ではなく、地球から隆起してその根を深く大地にのばしているイメージなんだ。もっと言うと、石という地球の一部に少し手を加えてやることで、地球全体の生命力を感じられるような作品。本当に見事です。
今回の目玉、「エナジーヴォイド」という巨大な石の彫刻は、四国のイサムノグチの晩年住んでいたアトリエにあるものなんだけど、私は以前訪れた時に観たことがあったから、とても懐かしかった。
不思議。匂いや季節や気温や風。小川にいた沢ガニの親子まで鮮明に思い出すことが出来た。それと同時に、宇宙の大きさや、大きな生命の巡りを感じさせる重量感が胸元まで迫ってきます。
身体の中から湧き出るエネルギーを感じさせてくれる作品たち。
「生きる」力は、それが当たり前になると分かりにくい。でも、水の中から陸に上がった時、改めて普段ある重力を感じるように、この美術館を出たとき、改めて「生命力」を自分の内側に感じることが出来た。
外はもう夜。とても綺麗でした。
頭の中が熱くて、ちょっと頭痛がした。
いっぱい感じた。
イサムノグチ展。素敵だったな。
芸術はいつも孤独で自由で、広大なところに繋がっているように思います。
少し垣間見て、とても開かれて、心地の良い疲労感を感じながら、もう秋の匂いのする青い街を帰りました。